これまで知らなかったものを知る。その毎日が、すごく楽しい。

もともと機械を扱う仕事に興味がありました。そのきっかけは大学のゼミ。中国の工場見学に行く機会があって、その時に製造業の中心は機械なんだということを肌で感じたんです。それで、機械系のメーカーや商社にエントリーするようになりました。その中で見つけた一社が、伊藤忠マシンテクノスです。

今、僕は指導社員の先輩の営業同行をしながら、飲料メーカーの担当をさせてもらっています。主な仕事は交換が必要になった部品の発注業務。機械に興味はあったけど、専門的なことは何も知らなかったので、とにかく今は必要な知識を頭に叩きこむ毎日です。お客様から発注の依頼が来たら、それがどんなものなのかをまず自分で調べる。覚えることだらけですが、知らなかったものを知るのは好きなタイプ。だから、こうやって勉強できるのがすごく新鮮だし楽しいですね。

実は、3つある事業部の中で、いちばん興味がなかったのが、食品だったんです(笑)。でも今はこの仕事がすごく楽しい。やっぱり、食は生活に身近なもの。自分の仕事がどんなふうに社会に貢献しているのかわかりやすいですよね。そこが自分のモチベーションになっています。

自分の目で見て初めて知った、厳しいものづくりの世界。

仕事を始めて驚いたのは、こうした機械を扱う仕事はすごく正確性を問われるんだということ。特に日本の消費者の目は非常に厳しいことで知られています。ほんの1ミリの誤差がクレームやトラブルの原因になることがある。だから、お客様も一切妥協はしません。僕たちが納入する機械にも高い精密さが要求されます。装置を据え付けた後も、細かい調整と試運転の繰り返し。ラインから流れてくる製品に少しでも異常があれば、原因を徹底的に分析します。僕も先輩に同行し、何度もその場に立ち会わせてもらいましたが、ものづくりの現場はこれほどシビアなものなのかとビックリしました。特に、そのケースでは、納入した機械も開発したばかりの新型だったので、通常以上に入念な調整が必要でした。

結局、実際に本生産が始まったのは、納入から8ヶ月後のこと。こんなにも長い期間を要するんだということを、経験してみて初めて知りました。

そんな過程があるからこそ、実際に自分が関わったお客様の製品が店頭に並んでいるのを見ると嬉しくなりますね。もちろん僕も早速買いました。レジで並んでいる顔は、たぶんちょっとニヤニヤしていたと思います(笑)。

いつかは製造ラインをまるごと手がけるような仕事がしたい。

営業は技術的な部分では、やはり技術者にはかないません。僕たちがやらなければいけないのは、お客様とメーカーの緩衝剤となること。どうしても当事者間で条件調整や価格交渉を行うと、いろんな線引きが曖昧になってしまう。そこを僕らが入ることで、現実的な着地点を見つけた上で、しっかり明確なラインを引けるようになる。それが、商社パーソンの存在価値なんだと思います。

今はまだ僕は商社パーソンとして半人前とも呼べないくらい。まだひとりできちんと商談をしたこともないので、まずは先輩がいなくてもきちんと自分でお客様と対等に話せるようになりたいと思います。そのためには、もっと機械のことを知らなくちゃいけないし、お客様自身のことを理解しなくちゃいけない。お客様の事業や今後の展望を誰よりわかっているからこそ、お客様に認めていただけるような提案ができるようになる。まずはそんな営業になれるように頑張りたいです。

そして、いつかは一部の機械だけでなく、製造ラインまるごとを提案できるような営業になりたい。何億円もの金額を動かすわけですから責任は重大です。だけど、そのダイナミックさこそがこの仕事の醍醐味だと思います。